職業 正義の味方
梅雨明け間近の空は雲が多いが陽射しは強く、川沿いの桜並木の道をなるべく木陰の下を通るように自転車を漕ぐ。

アパートから店舗まで自転車で15分の道のり。
桜の季節は終わってしまったけど、この道は季節が感じられてとても好きだ。

お店の裏の駐輪場に自転車を停めて従業員入り口から入る。
タイムカードを押して、ロッカーに鞄をしまう。
白衣を取り出したが、今日は月曜日で大量の商品が届き売り場へと出さないとならないことを思い出し、お店のロゴが入ったエプロンを身に付ける。

ロッカールームを出ると、早速台車にゆらゆらとたくさんの商品を乗せて歩く店長に出会う。

「おはよーございます‼︎
店長代わりますよ?」

「あーハナちゃん、おはよー。
いや、ハナちゃん担当のオムツが積み上げられてたよ〜」

「うわっ。もう来ましたか〜。
土日で大量に出ちゃったんで、早速補充しますー」

「よろしくー
重いから気をつけてー」

私は台車を引きながら搬入口まで歩く。
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