職業 正義の味方
バックヤードと店内を二往復半した所でオープン時間になる。

なぜかオープン時間には鳥のさえずりがBGMとして流れる。
朝の爽やかな雰囲気を出したいのだろうか?

6箱目を開け、少し高めの棚にオムツを並べて行く。
チビっ子の私にはちょっと大変だけど、踏台を出す程でもないので背伸びしながらの作業。

よっ、と小さく掛け声を出しながら最後の一つを棚に乗せた所でバランスを崩したオムツが上から降って来た。

オムツをキャッチした勢いで後ろへ下がると運悪く片足は台車の上に着地。

恐ろしい事にこういう時の台車て言うやつは実に良い滑りをしてくれるもので、
踏ん張れば踏ん張る程片足は遠くへ運ばれて行き…

倒れる‼︎

そう覚悟して目をギュッと瞑った時、ガシッと力強い腕が私の体を支えてくれた。
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