『あたし』
「ただいま!」

家に着いた瞬間慌てて靴を脱捨て、二階にある自分の部屋まで急ぐ。


早く…早く…


鼓動が速くなる。


部屋の扉を勢いよく開け、電気を点ける。普段着に着替えるよりも先に机に座った。
母親が呼ぶ声が聞こえたがあえて無視、それ所じゃなかったからだ。

カバンをゆっくりと机に置き、中から綺麗な本を出す。


ゴミ捨て場で拾った本。



なんでこれがすごい読みたかったんだろ…でも、今までにはこんなことはなかったし…。

















小さい頃から漫画、小説、絵本が大好きだったので外で遊ばずによく読んでいた。

母親からは
「健康にわるいから外でも遊びなさい」

といわれたが

「体を動かすより、頭を動かす方が得意だから」と言ってよく呆れられていた。


小学生の時は絵本。

中学生の時は漫画。

高校生の今は小説。


内容は摩訶不思議なものばかりを読んでいた気がする。内容がわからずに淡々と進んで行くものばかり、いきなり人を食べたり、いきなりヘンテコな物に変わったり。

意味が分からないまま夢中に読んだ記憶が残っている。


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