天才少女
「えっ?」


藤花が顔を上げて僕を見る

瞳が揺らいでいる


「どうして、どうして京にいるの?」


藤花は、ぽつりと呟いた


「そういう藤花こそ何で京にいて、そんなに血だらけで…」


藤花は困ったように苦笑する


「鬼?」


しかし、穴の空いた襖を見た平助が呟いたことで藤花の表情は、厳しくなった


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