大野先輩が好きなんです‼︎【短】
陽希先輩は…、ううん、白石キャプテンもいない。



みんな部室で着替えてるから。



それを狙ってきたんだよね。



仕方なく付いて行こうと、決心すれば。



「ねぇ、なにやってんの」



上から聞こえてきた、陽希先輩の声。



陽希先輩が来てくれた嬉しさと、さっきから爪が食い込んでる腕の痛さと、両方の涙が溢れてきた。



「あっ、陽希先輩!この子が床掃除するっていうから、手伝おうと思ってたんです!」



なぜか、頬を赤らめモジモジとしていた。



女子ってこんなにも変われるんだ…。



そう思ったら、人間不信になるくらい怖かった。



「は?これやったの、きみだよね」



陽希先輩は、わたしの腕と掴むとその子に見せた。



「え、わたしはなにも…」



「俺、ホントこういうのイヤなんだよね。さっさと帰ってくんない?」



初めて見た、陽希先輩の冷たい目。



わたしに向けられたものじゃないのに、怖かった。



陽希先輩の声や目に同じく怖くなったのか、逃げるように全員がいなくなった。
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