大野先輩が好きなんです‼︎【短】
こんな有り得ないシチュエーションにドキドキしていると、陽希先輩が少しだけ屈んで顔を斜めにし、近付いてきた。



そんな更に有り得ない出来事に抵抗するのも忘れ、陽希先輩はそのままわたしに触れるだけのキスをした。



わたしの、ファーストキス…。



雑誌にはレモンの味だの、なんの味だのって書いてあったけど、わたしには全然分からなくて。



「わりぃ、イヤだったか…?」



少し苦笑した陽希先輩に、フルフルと顔を横に振った。



「もしかして、いつも俺のこと見に来てた?」



陽希先輩の言葉に、コクンと頷く。



衝撃のキスで、声が出ない…。



頷いたわたしを見た陽希先輩は、「はぁ…」と溜め息を吐き、そして笑った。



「よかった。俺もずっと、すみれちゃんのこと見てた」



「えっ」



今度はビックリしすぎて、出た声。



「驚いたか?」



またもや、声が出なくなりコクコクと頷いたわたしに。
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