大野先輩が好きなんです‼︎【短】
「あ、名前はさっき白石から聞いた。だから、調べたわけじゃねぇから…」



そっぽを向いてしまった陽希先輩に思わず、吹き出してしまった。



「あ、やっと笑ったな」



陽希先輩はずっとドアに手を預けたまま、もう片方の手で、わたしの頬に触れた。



その指にビクリとすると、陽希先輩は笑って。



「すみれのことが、好きだ。俺と付き合ってほしい」



そんなストレートな告白に、わたしの心はやられっぱなしで。



「あ、あのっ…」



返事をしようとすれば、「あ、待って」と止められた。



不思議に思っている、わたしに陽希先輩は。



「付き合ってくれるなら、すみれからキスして」



「えぇっ!?」



そ、そんなの無理なのに…。



二回目のキスが自分からなんて、ハードル高すぎるよ…。



「ほら、早く。あ、もしかして俺とは付き合えないってことか?」



「ち、ちがっ…」



慌てて陽希先輩を見れば、ニヤリと笑った顔にハメられたと気付く。



うぅ…。



泣きそうになりながら、でも陽希先輩と両想いになれたことが嬉しくて、わたしは勇気を出し陽希先輩のYシャツをキュッと掴むと少し背伸びをし、その唇にキスをした。
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