大野先輩が好きなんです‼︎【短】
この手で、わたしの……。



…って、だめだめ!!



何を想像したのよ、わたしは!!



恋をすると、ここまで変態になるのかと自分がイヤになった。



「なによー、大野だって言ってたじゃなーい。練習の時この子が……、んーー!!」



え、わたしがなに…?



聞きたくても、続きが聞けない。



だって、陽希先輩が白石キャプテンの口を手で覆ってたから。



「バカッ、それ以上言うなって!!」



白石キャプテンは、コクコクと頷き、陽希先輩の腕を叩いた。



「プハーッ!!全く、人殺す気!?」



白石キャプテンは、ハァハァと呼吸を整えながら陽希先輩を睨んだ。



でも目には薄っすらと涙が溜まっていて、睨んでも怖いというよりは、やっぱりキレイだった。



「わり、やりすぎた…」



さすがに、やりすぎたと反省した陽希先輩は素直に謝っていた。



「全く…。さ、こんなヘタレな男は放っておいて、こっちおいでー?」



ヘタレなオトコ…?



陽希先輩が、ヘタレ?



なんで…?



考えても分からず、陽希先輩にペコリとお辞儀をして白石キャプテンの後を付いて行こうとすると、ふいに腕を掴まれた。



「あ、あの…」



「なんで、バケツと雑巾持ってんの?」



あ、それを聞きたかったんですね…。
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