大野先輩が好きなんです‼︎【短】
「あの…、ヘタレって大野先輩が…、ですか?」



つい、聞いてしまった。



すると白石キャプテンは、目を細め。



「そうよー、大野はヘタレなのよー。あ、ねぇ!…って、名前聞いてなかったわね。教えてくれるかなぁ?」



「あっ、矢野すみれですっ」



「すみれちゃんねっ。名前まで可愛いなんてぇ」



と、言いながら白石キャプテンは、クスリと笑った。



「すみれちゃんは、大野のことどう思う?」



「え」



突然のことに、頭が真っ白になった。



チラリと陽希先輩を見ればアッチはもう練習が始まっていて、走り回ってるいつもの陽希先輩に目が奪われた。



「ごめんごめん、聞かなくても分かったわー」



「え、え?あの!!」



好きだと言うことがバレたくなくて、声を出すも言葉になってなくて。



「いいから、いいからー。ほら、雑巾持っといでぇ!!」



白石キャプテンに背中を押され、わたしは仕方なくもう一枚雑巾を持ってくることにした。
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