腹黒王子に囚われて
とりあえず、俺の彼女のふりをしててもらいたい。
そうすれば、俺の周りをうろちょろする女の子を減らすことができるから。
下手に普通の女の子が相手だと
納得のいかない女子も多いし、
可愛いからって、俺の言葉にすぐ頷くような女だったら、逆にそいつの対応がめんどくさい。
だから飯田葵は、俺にとってうってつけの女だった。
彼女なら誰も文句を言わない。
そして俺の印象も下がることはない。
彼女には悪いけど、とことん利用させてもらおう。
そんな……
軽い弾みの行動だった。
だけど俺は、そんな葵にどんどんハマっていってしまった。