腹黒王子に囚われて
最初は、言われるがままに俺のキスを受け入れてた葵だったけど
少しずつ……
ほんの少しずつ……
葵にも変化があるようにも見えた。
最初の頃見せなかった、照れた表情やはにかんだ顔。
その顔を見るたびに、どうしようもないほど嬉しくて
そのたびに何度もキスをした。
一番うれしかったのは
俺が熱で学校を休んで、
冷たく突っ返したって言うのに戻ってきたこと。
しかも目が覚めたら、まだ俺の手を握っててくれたし。
だから何度も何度も
葵の唇を奪った。
本当はその先に進みたかったけど
それはまだ早いって思ってから必死に抑えてた。
けど……
結局次の日、我慢できなくて……
キスのその先を
しようとした。