腹黒王子に囚われて
 
何もかもが絶望に溢れた。


こんなこと、望んでなんかいなかった。


だけどもしかしたら
あたしのどこかに、下心があったのかもしれない。


学校で騒がれている上沢先輩に声をかけられ
相合傘で一緒に帰り、家にまで上がらせてもらって……。


もしもそれが、他の男子だったら断っていたかもしれない。

相手が彼だったから、受け入れたのかもしれない。



そう思うと
犯されたというのに上沢先輩を責めきることはできなくて……。



「お前、いいね」



行為が終わって、あたしを見下ろす上沢先輩。

虚ろな瞳で、彼を見上げた。



「顔も可愛いし、体も最高だし。

 当分、俺の女にしてやるよ」



と、最悪な言葉を言われた。
 
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