腹黒王子に囚われて
14章 好きというコトバ
 
「葵ー」
「何?」


放課後になって、いつものようにあたしのクラスへ来た瑛太。

だけどなんだかいつもと迎え方が違うのはすぐに分かった。


「今日はクラスの子たちと遊びに行くから。
 一緒帰れないけどいい?」

「あ、うん。
 行ってらっしゃい」


瑛太がそんなことを言ったのは、少しだけ意外だった。

けど、よくよく考えれば、瑛太は女子だけじゃなく、男子にも慕われていて、
あたしと付き合う前までは彼女がいないからこそ、よくクラスの男友達と遊びに行ってたらしい。

最近は、あたしに気を遣って、周りもあまり誘わなかったみたいだけど
いい加減瑛太と遊びたくなったと、クラスの子たちが誘ったようなのだ。


「じゃあ、帰ったら連絡するから。
 何かあったら葵からも連絡して」

「うん」

「じゃあね」


と、手をひらひらさせて自分のクラスへ戻っていく瑛太。

その瞬間、後ろからすごい視線を感じた。
 
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