腹黒王子に囚われて
「ラブラブですねぇ……相変わらず」
「美咲……」
「じゃあ、帰ったら連絡するから。
何かあったら葵からも連絡して。
とか言ってさ!
たまには少し離れなさい!!」
「べつにそんな一緒にいないし」
「嘘つけ!
毎日一緒帰って、ご飯まで食べてるくせに!」
「……」
それは否定しない。
でもそっか。
よくよく考えれば、あたしたちは毎日一緒にいるんだ。
「ってわけで、今日はおひとり様なんだよね?」
「うん、まあ……」
「じゃ、遊びに行こー!」
「え……」
「え、じゃない!
この付き合いが悪くなった奴め!」
「……はいはい」
確かに、瑛太と付き合ってから、放課後美咲と過ごす時間は激減した。
だからたまには……いっかな。
そう思い、あたしは美咲に連れ出されることにした。