腹黒王子に囚われて

　
「葵は確かに見た目が美人ってのもあるけど、
　あたしの友達の中で、葵以上に芯の通った人いないからさっ。

　だから葵が相手だったら、喜んでー！って思えるよ」


「……美咲…」


普段、いつもちゃらけている美咲から、初めて聞いたあたしの印象。

それはなんだかくすぐったくて、どう反応したらいいのか分からなかった。


美咲はまたにこっと笑うと、



「だから絶対に、新條くんと幸せになってよ？」



とおでこをツンと突いた。



「……美咲のくせに生意気」
「何をっ！？」
「嘘。ありがと」



なんだか美咲という友達がいて
自分は恵まれていたんだと実感した。


嫌なことばかり頭にいれて、周りが見えていなかっただけ。


瑛太の存在が出来て
いろんなことに余裕が出てきた気がした。