腹黒王子に囚われて
「どうしたの?」
「……葵………
やっぱ葵のことだよぉ……」
「は?」
あまりにも、意味の分からない言葉。
美咲と顔を合わせて、頭にハテナマークを浮かべた。
しばらくして、リカがようやく落ち着きを取り戻したようで、
ハンカチで涙をぬぐってあたしを見つめた。
「……今ね。
拓先輩に告白してきたの……」
「………え…?」
いろんな意味での予想外の言葉。
リカが拓先輩を?
拓先輩は今ここに?
ドクンドクンと、心臓が速度を増していく。