腹黒王子に囚われて
瑛太のこと、信じてる。
だから……
大丈夫。
きっと瑛太が優しくあたしを抱きしめてくれれば
今あるこの不安も、一気に解消されると思うから……。
拓先輩はフッと笑うと、
あたしの顎を持ち上げた。
「その目……。
早く歪ませてやりてぇな」
ニヤリと笑う悪魔の微笑み。
この恐怖から抜け出すには、自分自身が闘わないといけない。
怯みそうな体を、なんとか踏ん張り
拓先輩を睨みあげた。
負けない。
もう……
絶対に。