腹黒王子に囚われて
 
(知ってる?
 葵の体を開発したのは俺。

 だからあいつの感じるとこ全部知ってるぜ)



この匂いも……
この体も……


アイツが全部知ってる。



アイツのほうが……


知ってる。





「きゃっ……!!」

「……」



気づくと、俺は葵の腕を抑えていて
驚くその唇に荒々しく口づけていた。


「んっ……ゃっ……」


バタバタと暴れる葵を力の限り押さえつけてて
ダメだと脳が命令してるのに、反抗する体。



性欲を満たしたいんじゃない。



俺の中にあるのは

アイツに対しての、嫉妬だ。
 
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