腹黒王子に囚われて
「……瑛太…?」
冷めた頭に襲ってきたのは
どうしようもないほどの後悔。
俺の腕に組み敷かれる葵は、怯えるような瞳で俺を見上げていて、
よく見ると、肩が震えているのが分かった。
「ごめん……」
そっと葵の上からどき、
目も合わせられなくて、ただ一言謝った。
葵は何も言わなくて
起き上がると、ずるずると体を引きずって脱いでいたブレザーを取る。
「………ごめん、ね…」
「葵っ……」
葵は一言謝ると、
ブレザーと鞄を抱えて、部屋から出ていってしまった。