腹黒王子に囚われて
18章 禁断の手
バタンと扉が閉まり、
ドアにもたれかかりながら、ずるずると崩れ落ちた。
途端に押し寄せる涙。
瑛太に掴まれていた手首が、いまだにジンジンと熱くて……
その手首を握り締め顔をうずめた。
怖かった……。
瑛太が……。
大好きなはずなのに
押さえつけられたその力が怖くて……
違うのに……
相手は瑛太のはずなのに……
頭の中で、フラッシュバックしてた。
(こっち向けよっ……)
拓先輩の瞳が……。