腹黒王子に囚われて
 
これが……

瑛太の答え……?


結局瑛太は、
一度あたしとシテみたかっただけなのかもしれない。


だけどそう簡単にはさせないあたしを
面倒になって手放す。


ああ……
やっぱり男なんて、そんなものなのか……。



「葵。

 今度は絶対に離さないから」



拓先輩が手を伸ばす。

見上げた拓先輩は、誰もが見惚れるほどの愛しさに溢れる表情をしていて……



もしかしたら……
今度は本当に、信じられるのかもしれない……。



差し出された手に向かって
そっと手を挙げた。
 
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