腹黒王子に囚われて
瑛太はさらなる予想外のあたしの行動に、目をぱちくり見開いていて、
唇を離すと、まだまだ鼻がくっつきそうな距離で口を開いた。
「……そんなこと言ってないで……。
ちゃんとシテよ」
「え……?」
「瑛太が足りないんだけど」
瑛太の顔が、少しだけ赤く染まったのが分かった。
けど、丸く見開いていたその瞳は、すぐに細められ、
「そんなこと言われたら……
もう止めらんないよ?」
「……いいよ。
瑛太なら」
抱かれることが、恐怖だと感じていた気持ちは、どこかへ行った。
好きな人に抱かれるのは
怖いことでも
やましいことでもないと知ったから。