腹黒王子に囚われて
 
瑛太の顔を見つめると、
さっきまでの震えが嘘のように消えて、
自分の中でも余裕が生まれるようになった。


「瑛太……」


彼の名を呼んで、そっと手を伸ばす。

それに気づいた瑛太が、あたしの手を取った。



「葵。

 我慢できない」


「……うん。いいよ」



あたしの返事を聞いて、瑛太がキスを落とす。


それと同時に襲ってくる
瑛太が中へ入ってくる感覚。



「んっ……ぁっ…」



キスをしながらの行為は
声がうまく出せなくて、間を縫って漏れる吐息。


呼吸も苦しいのに
このキスを止めたくない。
 
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