腹黒王子に囚われて
 
ぐったりとベッドに横たわるあたしを
瑛太は優しく抱きしめる。




「葵、不安になってない?」


なんて聞いておきながら
不安になっているのは、確実に瑛太のほうで……。


「不安。
 結局、シテばっかり」

「ちがっ……いや、違くねぇけどっ……」


さっきまでの余裕な顔はどうした、と言わんばかりの慌てぶり。


腹が立ってたので
そのまま背を向けて、ふて寝をしてやった。
 
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