腹黒王子に囚われて
「……っ…」
瑛太の口から漏れる、色っぽい吐息。
やられてばっかりじゃ嫌。
すっかり艶っぽくなったその瑛太の瞳に、あたしはにっこりと微笑むと、
「じゃ、行こっか」
「え!?は?
ちょっ、コレ!どうすんだよ!?」
「知らない。
あたしお腹空いたし」
「おいっ……」
瑛太の下半身を、ちらりと見て
さっさと鞄を手に取った。
腹黒王子になんかに
振り回されてたまるもんか。
「瑛太、行くよ」
「………はい…」
主導権は、あたしだ。
~fin.~