腹黒王子に囚われて
お昼休み、飲み物を買いに自販機に行ったら、急に連れ込まれた。
相手は3人で。
多分、瑛太と同じクラスの女子。
「どういうつもりって何が?」
話が長くなりそうだから、
買ったばかりのカフェオレにストローを刺し、その場で飲む。
そんなあたしの行動に腹が立ったのか、一人の女子がそれを奪い取った。
「だから何勝手に、瑛太くんと付き合ってんだよ!?」
ああ…
やっぱこういうことか。
怒り狂う彼女を冷ややかな目で見つめながら、心の中でため息をついた。
ってか、瑛太のやつ、嘘ついたな。
面倒なことは起こさないって言ってたじゃん。
今まさに、面倒なことが起こってるんですけど。
奪われたカフェオレに目線を送りながら、どう対応しようかだけ考えていた。