腹黒王子に囚われて
パンッという音が響き渡り、一瞬の沈黙。
あーなんか……
すごいキレそう……。
だけど向こうはあたしの気なんか知らずに、ベラベラと話を続けた。
「アンタみたいな顔だけいい性格ブス、すぐに瑛太くんにフラれるわよ。
ちょっと言い寄られたから付き合うなんて、瑛太くんの外見だけしか見てないってことでしょ?」
リーダー格と思われるその女は、上からズケズケと物を言い続ける。
性格ブス…。
ま、確かにあたしは、決していい性格ではない。
それは認める、けど……
「あんたみたいに、集団でしか行動できなかったり、
陰で因縁つけてくるような女に言われたくない」
「……は?」
何かがプツンと切れたように、淡々と思ったことを口にした。
いきなり図星をつかれた彼女は、口を開けたまま固まっている。