腹黒王子に囚われて
全員が驚いて振り返ると、
そこには問題となっている張本人の瑛太がいて……
「君たち、何してるの?」
と、仮面をかぶった状態の、少し困った顔で近づいてくる。
「あ、えっと……
ちょっと話を……」
瑛太の姿を捉えた彼女は、慌ててあたしのもとから一歩下がる。
そして、
何か言ったら容赦しない。
というような睨みを、あたしに向けてきた。
あー、女子って怖…。
男子の前ではイイコぶって、可愛い声を出すくせに
その姿が見えなければ、声のトーンも変わって、目つきも変わる。
「本当に?
葵、大丈夫?」
「大丈夫。
ちょっとこの人に殴られただけだから」
「なっ……」
彼女の睨みなんか無視して
平然と今起きたことを話した。