腹黒王子に囚われて
「ってか、昼休み終わるんじゃね?」
「え、嘘……。
何も食べてないんだけど」
「何やってんだよ」
お前のせいだ。
と、本気で思った。
けど、これを言ったらまた一喧嘩してしまいそうだからやめた。
二人で校舎に戻って、廊下を歩く。
「ってかさ、よかったの?」
「何が?」
隣で歩く瑛太に向かって、ちょっと気になってたことを訪ねた。
「さっき、思いきり本性出して、彼女ら追いつめてたでしょ。
バレちゃうよ?」
「べつに。あいつらの言うことなんて、誰も信じねぇだろ」
確かに、王子で通ってるこいつが、たった3人の女子の言うことで左右されるなんて思わない。
「それに、あんときは本気でムカついてたから」
「え?」
前を見つめてそんな言葉を言う瑛太を、よく意味が理解できず見上げた。