腹黒王子に囚われて
5章 キス
「ねえ」
「んー?あ、やっぱハンバーグもいいな」
「やっぱおかしくない?」
「何が?……でも最初は、和食で腕試ししてもらいてぇよなー……」
「ちょっと!!」
「あ?」
スーパーの中、あたしの目の前で買い物カゴを持つ瑛太。
強引に、こんなところまでついてこられたけど、やっぱりあたしは納得いっていなくて……。
「なんであたしが、アンタにご飯作らないといけないの!?」
なぜか、これから夕ご飯を一緒に食べるらしい。
「だって腹減ったからさー。
お前も空かねぇ?」
「そう言う問題じゃない」
お腹は確かに、若干空いている。
今日は6時間目まであったし、何気にあたしも瑛太も図書委員で、
委員会で遅くなったし……。
だからって……
「あたしがアンタに作ってやる意味が分からない」
なんでいきなり、こいつが家に来ることになったんだろう……。