腹黒王子に囚われて
「………アンタさ」
「んー?」
お皿を洗いながら、後ろでくつろいでいるであろう瑛太に呼びかけた。
「なんであんなに作ってんの?」
「何を?」
「性格。学校での似非王子」
「似非王子って……。
だから世渡り上手なだけ、って言わなかった?」
「別に、素のアンタでも、十分受け入れてくれる人多そうじゃん」
前から思ってたけど、今日一日一緒に過ごして改めて思った。
あんな似非優しい王子と呼ばれている瑛太じゃなくても
ちょっと俺様な、素直にはしゃぐ瑛太だって十分モテそう。