腹黒王子に囚われて
6章 ムカつく
《そのつもりだったんだろ》
ヤダ…
違う……
《いいじゃん。
俺とヤれてラッキーとかも思ってるでしょ?》
思わない。
そんなこと……。
《いいから、言うこときけよ!!》
嫌っ…!!!!
「なんだよ……
どうってことないって……」
今、あたしの唇を奪ったばかりの瑛太は、あたしの言葉に眉をしかめて睨んでいて……。
「そのまんまの意味」
その質問には、その答えしかない。
「普通、キスされて嬉しいとか、嫌だとかあるだろ?」
「……ない」
そんな感情なんて、とっくに捨てた。