腹黒王子に囚われて
 
《俺、お前のこと気に入ったわ。
 だからしばらく、俺の女でいいだろ?》


あの日から、
あたしは自分の体を大事にすることをやめた。



キスされたって
その先をされたって


そんなの、どうってことない。



その時学んだのは、
にこにこと笑顔を振りまいて、全ての人に気に入られようとしなくたっていいということ。



大勢の人に好かれなくたって
たった数人の、本当の自分を分かってくれる人だけ……

その人だけが、あたしの周りにいればいいって……。


だから……




(怖いから。
人に拒まれるのが)



そう言った、瑛太の言葉が、なんとなく胸に引っかかって……。

だけどあんなふうに、勝手にキスしてきたことが
過去のアイツと重なって見えて……。



なんかもう…

ぐちゃぐちゃだ。
 
< 62 / 257 >

この作品をシェア

pagetop