腹黒王子に囚われて
8章 みんな同じ
「はあ……」
「10回目」
「え?」
昼休み、美咲と一緒にお弁当を食べていると、急に突っ込みが入った。
なんのことかと首をかしげると、
「ため息。
この昼休み中で、すでに10回ついてるよ」
「……マジ?」
「うん。どうしたー?」
無意識のため息。
知らずうちについてたらしい。
「ううん。なんでもない。
ちょっと寝不足なだけ」
「ならいいけどー」
返事を聞いて、美咲もそれ以上は突っ込んでは来ないようだった。
寝不足なのは本当。
昨日は夕方から夜にかけて、瑛太と一緒に寝てしまったから、結局明け方近くまで寝られなかった。
だから昨晩は、2時間ほどしか寝てない。
しかも自分の家じゃないし。
だけどきっとため息が出てしまう原因は……
「そういえば!今日新條くん、来てたよね!!」
「う、うん……」
絶対に、ヤツが原因だ。