涙雨[ナミダアメ]
「秀、私達は離れなくちゃいけないんだよ。」



私が何を言おうとしているのか理解をした秀は、
バンッッと壁を蹴った。



「秀、ちゃんと聞いて。」


「お前、アイツが好きとか言うんじゃないだろうな?」


「ごめん。」



麗夜くんが好き。


秀は大好きだったよ。



ガンッッ!


首元を掴み、壁に叩きつける秀。



大丈夫。


こんなのわかりきっている。



今日はちゃんと話さなければならない。




「雫、俺を一人にする気?」


「違うよ。
私はずっと秀の見方だよ。けど、もう…」


バシッ


「ッッグッッ…」


顔中に広がる痛み。


いつもより強く、
悲しく、


俺を一人にするなと叫んでいるのがわかる。




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