涙雨[ナミダアメ]
ガハハと男たちが笑う。



散々殴られ、俺は床に転がされた。



なんとか、意識はあるものの…


いろんな所が痛い。



ゼッテエ骨折れてるわ~



近くには雫ちゃんがいる。



痛む体を引きずり、
雫ちゃんの元へ近づいた。


痩せた体。


顔には無数のアザや傷。



痛々しくて見てられない。


「雫ちゃん…」





すると、ピクリと体が反応した。


「れ、麗夜くん!?
何で…」


「シー!!
でかい声だしたらアイツ等来ちゃうから。」



アイツ等は、倉庫の部屋で食事中らしい。



「どうして…こんなこと…」


「どうやら、俺殺されるみたい。彼氏に…」


「え…そんな…」


「大丈夫。
安心して、俺は絶対死なないから。
ねえ、雫ちゃんまたさ、
デートしたいな~」


「麗夜くん…デートしようよ。
いっぱいデートしようよ。」


「ホントに?…ハアハアッッヤベエ…マジで骨やられたわ。」


痛みのせいで息切れしてきた。



「麗夜くん…ごめんね。」


「謝っちゃだめだって!
雫ちゃんは悪くないの。
ね?」



「うッッうッッれいや…くんッッグスッ…」


俺が痛みに堪えながら
笑った時だった。



ポタリ…



ポタリと床にシミができた。





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