涙雨[ﾅﾐﾀﾞｱﾒ]

「雫ちゃん、やっと泣いた。」



雫ちゃんが泣いた。



悲しみの水溜まりから
やっと水が出た。



「麗夜くッッ…うぅッッ」


「雫ちゃん、辛いよね。
辛い時はね、そうやって泣くんだよ。
我慢せずにね、泣くの。」


「うわああ～ん～」


やっと涙を流してくれたんだ。



「もう我慢しなくていいよ。
俺の前でならたくさん泣いていいよ。」


今までたまっていた水が溢れ出したみたいに泣いている。



手が縛られていて抱き締められないのがもどかしい…


「雫ちゃん、今はね…
抱き締められないけど…
俺が…泣いている雫ちゃんを…抱き締めるから。」


「う…ひっく…」



「笑いたい時は一緒に笑おう。
」


「麗夜くッッ…
ッッきだよ…」


え…


泣いてるせいでよく聞き取れなかった。



「もっかい言って？」


「…すき…だよ…
麗夜くんがすきなんだ…」



えー！！



嘘だろ…



俺今…好きって言われたんだよな？