涙雨[ナミダアメ]
――――。



――――――。



―――――――。



「……ん…」


「麗夜くん!!」


「雫ちゃ…ん。ここ何処?」


目が覚めた俺は、
白い天井と白いベッドの上だった。



この消毒の匂い…



「病院だよ。」


「病院ー!?いや~
病院きらー…ッッいて…」


起き上がろうとしたら、
電撃が流れるような痛みが走った。



「麗夜くん、ダメだよ!
骨、折れてるし、打撲が酷いから3日入院なんだから。」


「え~嫌だ。
嫌だ嫌だいーやーだ!」


「ガキか!お前は…」



「あ、守!
マモちゃん、俺入院何て嫌だ~」


「そんな化けもんみたいな顔じゃ、歩けねえよ。」


「化けもん!?
どんな顔だよ!!俺の美顔にアザなんかね…………」



嘘~!



守が見せてきた鏡に写ったら俺の顔。



アザだらけで目は晴れていた。



マジかよ…



「俺のイケメンが~」



「あ、そうだこれ。」


守が大量に何かが入った
紙袋を机においた。



「りほちゃんではないか!」


俺のアイドルりほちゃんの写真集とDVD。



「これやるから、大人しく寝てろ。」


「マジかよ~!
さんきゅ♪マモルン!」



< 166 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop