涙雨[ナミダアメ]
「たっだいま~雫ちゃん♪」


気づくと麗夜くんが帰ってきた。


「お帰り、麗夜くん。」


雫ちゃんと名前を呼ばれると、心が安らぐ。


麗夜くんといると、
何もかも楽しかったあの頃の自分を思い出す。



マイペースに風呂から出た守くんに、怒る麗夜くん。

そんな麗夜くんに、
冷静に言い返す守くん。


大学の受験の時、
私もよくメイカと秀に勉強を教えてもらっていたっけ。


まだあの頃は、
純粋に愛し合って、笑いあっていた。


暴力をされることもなかったな…


昨日の出来事をふと思い出した。



「雫ちゃんなんかあった?」


まただ。
麗夜くんは私の少しの変化も見逃さない。


普通にしているつもりなのに。



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