涙雨[ナミダアメ]
しばらくして、インターフォンが鳴った。


「ギャアアアアっっ!!」

モニターを見たババアが
突然叫んだ。


「…んだよ…るせえな。」

俺は、リビングのソファーで漫画を読んでいた。


「麗夜、で…出た。」


そして、モニターを見た
守までも固まった。


「なんなんだよ…
二人して…」


面倒だからモニターをみず、玄関まで行って、ドアを開けた。


ガチャリとドアを開けた
瞬間…また閉めた。


マジで幽霊出た!?


いやいや、んなわけねえし!!


もう一度ドアを開けると、ザーッとさっきより雨が増していた。

そして、ドアの前には、

顔全体に前髪がかかっていて、濡れた長い髪から雫が垂れている。
黒いスーツがびしょびしょで黒ぶち眼鏡の気味悪い女がたっていた。


「お前誰!?つか何者!?」


「きょ、今日から霧島麗夜くんの家庭教師をやらさせてもらう…京野雫と申します!」


「家庭教師だあ!?」


うわマジかよ…
こんな気味悪いやつが家庭教師かよ。


「あなたが京野先生!?
ってびっしょりじゃない!!とりあえずタオル持ってくるから待ってて!!」


そう言ってババアは、
タオルを持ちにいった。


「つかさ、アンタ傘は?」

「雨が降る予報では無かったので…」


確かにそうだ。
予報では1日晴れ。


「にしたって濡れすぎだろうが!」


「すみません!!」


ガバッと頭を下げた。


「京野先生!タオル!
とりあえずそこで拭いてシャワー入りな!」


「いえ!私は大丈夫ですから。」


「これから世話になるんだから風邪引いたら大変よ!?それに着替えないとだめでしょ!?」


「で、ではすみませんが…」


ったく、初日からこれかよ。


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