涙雨[ナミダアメ]
結局、ひなこと別れ
守の家に来た。


相変わらずでっかい家だな。


千鶴くんどんだけ金もってんの?ってくらい城みたいな家だ、



「おい、人の部屋でタバコ吸うな。禁煙だぞ。」


最近また吸い始めたタバコ。


「な~守、今日な雫ちゃんの彼氏に会った。」


「へえ。
で?どんなだった?」


「金持ちそうだった。
けどな、マジでムカツクやつだった!」



「ムカツクねえ…」


何故か守はニヤニヤしていた。


「雫ちゃんを物みたいな言い方してさ。
おまけに、すげえ挑発してきたんだぜ?
俺、アイツ嫌いだ。」


「そりゃ、向こうもお前にとられないように必死だったんだろ。
まあ、嫉妬と束縛が激しすぎるやつは危ないけどな。」


「それひなこも言ってた。そもそも何で嫉妬すんだ?」


「そりゃあ好きだからだろ。つかお前も嫉妬してるんじゃん。」


「はあ?
だから俺は惚れたことないんだって。」


「バカに何を言ってもムダか。
でもさ、早く自分の気持ちに気づいた方がいいんじゃね?」


よくわかんねえな。


俺は、雫ちゃんが好きだからこんな気になるのか?


好きだから、胸がチクチクしてムカツクんだろうか。


「なんか面倒くせ~。
つか、さっきから携帯ばっかいじって何してるんだ?」


いつも、手にしてるのは
難しい本かパソコンなのに
珍しく携帯を手にしている。


しかも楽しそうにして…


守の携帯を無理矢理奪って見て驚いた。


「うっわ~
お前、いつの間にメイカちゃんとラインしてんの?
つか、メイカとか呼び捨てしてるし!
気持ちわるっ!つか守気持ちわる!」

守の携帯の中は、
雫ちゃんの友達のメイカちゃんとのラインのやり取りだった。

《メイカおはよ。》

《マモおはよ。今日も学校さぼらず行けよ~》


とか…

《今度メイカと飯でも行きたいな~》

とか、あの守が押してる。

つかこいつこんなグイグイ行くタイプだったけか?

まさか…


「お前、ぶん殴られたいか?」


眼鏡の奥の目が怒っている。


「マモちゃん、メイカちゃんが好きとか?」


冗談だったのに、


守の顔が真っ赤になった。


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