涙雨[ﾅﾐﾀﾞｱﾒ]

「すごいじゃん！
全問正解だよ～！！この調子なら今度の模試いけそうね。」


模試の練習問題を全問正解した俺。


雫ちゃんの教え方がいい
から、嘘みたいに問題が解ける。


「俺ってやればできる子なのかも～」


「そうだよ。
麗夜くんはやればできる子なんだよ！！ただやる気の問題だよ。」


「雫ちゃんが側にいてくれんなら、やる気がでるだよ～」


何て言うと、苦笑いをした。


「麗夜くん、あのね…
この間は何かごめんね。」


「何で雫ちゃんが謝るんだよ。雫ちゃん悪くないじゃん！」



「秀があんな風にしたからさ。ごめんね。」



「だから謝らないで？
挑発にのったのも俺だし。それにさ、雫ちゃんあの人にいつもあんな感じにされてるの？」


「そんなことないわよ。
ただ、秀はちょっと感情がうまく表せられないだけなの。本当は優しいわよ。」

どうしてこんなに、雫ちゃんは相手を庇うんだ？


「俺には、雫ちゃんが可哀想に思えるよ。」


「え？」


「だってさ、あの人雫ちゃんを物だって言ってた。
それに、女の子を雑に扱いすぎなんだよ。」


雫ちゃんの腕を掴んだ。


「ねえ、そのおでこの傷…あの人にやられたんじゃないの？」