涙雨[ナミダアメ]
こんな出来事があっても、ふたりはそれなりに幸せだった。


お互い笑いあい、
1年が過ぎ雫の高校生活も終わりの日を迎えていた。


「雫、卒業しちゃったね。」


「うん。
卒業できないと思ったのにね。」


卒業式を終え、
メイカと教室で思い出に浸っていた。


お互い、悪さばかりして
高校を卒業するなんて
考えもしなかった。


メイカは、レディースを辞め雫とふたりで大学に進学する。


「秀さんとこ行こっか!」

「え?」


あの出来事以来、
なんとなく秀の会社には行っていなかった。

「卒業証書見せに行かなきゃでしょ?」


「そうだね。」


モリリンと会うのは
正直気が向かなかったけれど、一番に秀に卒業証書を見せたかったから、
秀の会社に向かうことにした。




まさかあんなことになるとは、雫もメイカも予想できなかった。



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