涙雨[ナミダアメ]
教室を出て向かった先は、図書室。


ほとんど使われていない図書室に、ぽつんといる誰かさん。


「また難しいの読んでるし~」


眼鏡をかけて、
分厚い本を読む守。

昼休み教室にいないときは、だいたい此処にいる。


「お前もたまには読んだら?」


「無理無理…
そんなん読んだら、頭カチンコチンになるわ。」


「で、何しにきたわけ?」


「女たちから逃げてきた。」


「ああ、遂に切ったんだな。」


そう言って眼鏡を外した。


「そーゆこと~」


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