涙雨[ナミダアメ]
「アタシもさ、わかんないんだ~」


「何が?」


「守のこと好きか…」


守くん!?


そう言えば、昨日も守くんと一緒にいたって言ってたけ。


「守くんと付き合ってるの!?」


「はあ?
何でそうなんの!!
ただ、お互い暇なとき会ったりするだけだよ。」


「そうなの。
でも珍しいね?男嫌いのメイカが守くんとふたりっきりで出掛けたりするなんて!」


「なんかさ~守は他の男とは違うんだよ。
男は、全員バカサルみたいなやつだと思ってたから。」


「麗夜くん?」


「一に女、二に女。
女は、性欲を満たす道具とか思ってるやつ。
バカサルは、特にやるだけやって飽きたら捨てる。
みたいな感じじゃん!」


確かに、麗夜くんは
沢山女の子がいる。

多分モテると思う。
けど、
今まで付き合ったこはいないって言ってた。


「けど、守くんは違う?」


「違うよ。
守は、一に勉強、二に勉強。
頭ん中勉強しかないんじゃないかと思う。」


「確かに…」


「だってね、目の前に
ミスK大がいたんだよ!?
なのにさ、
『どこにそんなやついんの?』とか言うんだよ?」


私たちが通うK大のミスコンで優勝した子。


背も高くて、美人で
本当にモデルみたいな人。


広瀬 聖奈 ヒロセセイナ 21


私たちとタメ。


「あの広瀬さんが目の前にいるのに、気づかなかったの!?」


「そうなんだよ!!
だから女には興味なしなんだよ。けど…」


「けど?」


何故かメイカは顔を真っ赤にさせていた。


「守がさ、言うんだよ。
『俺にはメイカしか見えてない。』って…」


「………きゃッッ//」


守くんがそんなこと言うなんて!!

『俺にはメイカしか見えてない』
それって、
『俺はメイカしか興味ない』って聞こえるんですけど!!




「てか雫が照れてどーすんだよ!」


「照れるよ。」



そんなセリフ言われたら、女の子全員照れると思う。


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