涙雨[ナミダアメ]
全ての講義が終わった。


「雫、あれって…」


講義も終わり、
メイカと帰ろうとした時だった。


校門に、ある人が立っていた。


「秀ッッ…」


今日も高級スーツに身を包み、ビシッと決めた秀。


いつからか、秀は身に付けるものは高級なものばかりになった。


駆け出しのあの頃とは違う。


「きゃーッッ!
あれって誰の彼氏なんだろう!」
「てゆうかこの前雑誌に乗ってた社長じゃん!」


なんて、女子たちは
秀を芸能人のように囲んでいた。


「雫、大丈夫?
足、震えてる…」


「大丈夫、大丈夫!
どうしたんだろうね…秀。」


秀がいきなり大学に来るなんてはじめてだ。


何でか怖かった。

また何かしてしまったんじゃないかと不安になる。



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