涙雨[ナミダアメ]
時刻は7時…


夏も間近の6月とはいえ、夜の海は肌寒い。

「すっごいよね~!!
食事行こうよって連れてきてくれた場所が船上レストランって…
さすが社長~」


メイカは、初めてで興奮ぎみだった。


私は、3回目だ。


「はあ…」

「雫?どうした?」


「いつからかな~と思って。食事に行くと必ずこおゆう高そうな店に行くようになったのは…」


「雫、大丈夫?」


「ごめん!メイカ。
せっかくの食事だしね。
楽しまなきゃ!」


いつからか、秀は私に
お金を沢山つかう。


たまにはファミレスでも
ラーメンでもいいのに…


なんて思う。


「雫、これ。」


トイレから戻ってきた秀が何かを渡してきた。


「秀、これっ…」


「雫、大学卒業したらさ
俺と結婚しようか。」


秀が渡してきたのは、
ダイヤの指輪。


「………。」

「………。」



驚き過ぎて、私もメイカも何も言えない。




シャンパン飲みすぎたのかな…


聞き間違えなんだろうか。


< 83 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop