涙雨[ナミダアメ]
体を離すと、雫ちゃんは落ち着きを取り戻していた。


「落ち着いた?」


「うん。ごめんね。」


「謝らないの。
雫ちゃんは悪くないんだから。ね?」


「うん!」


そう言って笑った顔は
少しだけ自然に見えた。


「ふぁ~あ…」


「って、お前起きてたのか!?」


いつの間にか、ベッドに座る守。


「イチャイチャすんなよな~」


「うわ…見てたんか!
あ、あれは違うんだっつの。」


「言い訳結構~
あー腹減った…」


ガチャン…


守のやつ絶対ババアにチクる気だ。



「さ、やろっか。」

「そだな。
あ、俺この前の期末さ~
クラスで10位だったんだぜ!」


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