ヴァニタス
「もちろん、今描いてる絵は完成させるよ。

でも早く次の絵が描きたくて描きたくて仕方がないんだ」

武藤さんは笑いながら言った後、シャクッとりんごを1口かじった。

「すごい創作意欲ですね」

呟くように言った私に、
「生きている間はいろいろな絵を描きたいって思ってるんだ。

ヴァニタス限定で、だけど」

武藤さんは返した。

「それで…今はどんな構想を思い浮かべていたんですか?」

私は武藤さんに質問した。

「今?

場所は海で、そこに果実と砂時計と髑髏が置いてある…って言う構想を思い浮かべていたんだ」

武藤さんは得意そうに絵の構想を話した後、またりんごをかじった。
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