ヴァニタス
何だかすごい人だな…。

外国人に関わること自体が初めてな私はそう思った。

「あの…何か、ご用でしょうか?」

私は彼女に質問した。

「ああ、そうでした。

用事があったから声をかけたことを忘れていました」

彼女は思い出したと言うように笑いながら答えた。

「はあ…」

忘れていたってことは、そんなにたいした用事じゃなかったのかな?

そう思っら私に、
「この町に“ムトウ”が住んでいるはずなんですけど、知りませんか?」

彼女が言った。
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